2010年08月25日
祝島を訪問して・・・
ツクろーかるのメンバーのうち、筑波大学の学生2人が、この夏、祝島を訪問してきました!
2泊3日という短い期間ではあっても、存分に祝島の魅力を感じてきました。
以下は、その旅を通して感じたこと、想ったことを文章にしたものです。
みなさんも、まだ暑いうちに、祝島のきれいな海で泳ぎに行ってはいかがですか?(^^)
★★★★
祝島(2泊3日)をふくむ、8日間の電車旅に行って来た。
祝島、という、山口県の瀬戸内海の小さな島のことを、初めて聞いた人も多いと思う。
最初に祝島に行こうと思ったのは、そこが原子力発電所の建設予定地だから。
原発の議論はすごい色んな問題と絡んでて結構むずかしくて、私は原発には反対派だけどその論拠とか、じゃぁ今後どうすんの?みたいな話については、「ごめんなさいもう少し勉強する時間をください」って感じなんだよね。
だからその議論はちょっとお休みにして・・・
28年間も反対運動をして、島の人々が守ろうとしているモノは、一体なんなんだろう?
という疑問をもった。
原発が出来れば、お金ももらえるし、雇用もできるし、高齢化した島に若い人も戻ってくるかもしれない。島にとって、メリットだってあるハズだと思う。だけど、依然、島民の9割は反対している。
島に入ったら、すごくのんびりしていて、原発が建つことを感じることもほとんどなく、文字通り、「昔の日本の田舎」というイメージにぴったりなところだった。私たちは民宿に泊まっていたのだけど、気づけば民宿のおっちゃん、漁師のおっちゃん、そしてかわいい3姉妹(小5、4才、1才)が適当に入り浸っていたり、
「下町」みたいに密集している家の間の小道で、隣近所で座って話をしているし・・・ごはんのおかずが余ったらお隣の家に持っていくし・・・
都会育ちの私としては、なんだか時代をまちがえたんじゃないか、みたいな気分になってくる。
だけどそれはいい意味で。
家族のつながりも地域のつながりもうすくなっている(と言われている)今の日本を悲しんでいた私にとっては、希望を感じさせた。
「人と人とのつながり」のほかに、もう一つ気づいたことがあって、それが、「過去と未来とのつながり」。
たとえばさ、
1000年前から続いている、4年に1度の大きな祭がある。きっとこれからも続いていく。
おじいさんが切り開いてくれた棚田で、自分は孫に食べさせる米をつくる。
農業と漁業にほとんどの人が関わっている中で、「先祖代々守ってくれたきれいな海と大地を、自分たちもきれいなまま次の世代に渡す」という意識をもっていると思う。
そしてもちろん、豊かな食べ物の多くをとっている方が多い中で、「自然とのつながり」も言うまでも無く感じているはず。
たった2泊しかしなかったけど、祝島のことがすごく好きになった。
海も本当にきれいで、生物多様性のホットスポットと言われている地域。
海で泳いでいるだけで、すぐそばを魚が泳いでいった。
海の生き物にはめっぽう詳しくない私でも、あの海は汚したくないと思う。
「島の人々が守ろうとしているモノ」は一体なんなのか。
私は、ただその「くらし」ということだと思う。
数千年つづく暮らしを、そのまま子孫に引き継ぐこと。
先祖と大自然の偉大さみたいなものを、肌で感じれるからこそ、
自分の子や孫だけじゃなくて、そのずっとずっと先の子孫のことが、もう目に浮かぶんじゃないかなって思う。
うまく言えないけど、そのことを私はすごくうらやましく思うんだ。
説明できないけど、私は祝島に「未来」を感じたんだ。
原発が建設されたら、「なにか」が変わるのはたしか。
「なにか」が壊れるのはたしか。
海水より7度も高い温排水で自然は影響を受けるだろうし、
とれた魚が風評被害で売れなくなるかもしれない。
「おかげさま」の精神で助け合っている島の中で、「お金」の価値観が強くなることも心配。
今までは、ここに建つ原発の問題を、どこか他人事の中で、キレイごとの中で考えていたけど、実際に訪れたことで自分ごとに変わってしまった。
自分に何ができるのか、何をすべきかはまだ分からないけど、とりあえず、10/24(日)に筑波山のふもとの「田井ミュージアム」というところで行う、祝島を舞台とした映画「ミツバチの羽音と地球の回転」の上映会の企画と準備に、精一杯力を入れようと思う。
***
* 10/24(日)「ミツバチの羽音と地球の回転」上映会について
→ http://tkl.tsukuba.ch/e91048.html
* 映画「ミツバチの羽音と地球の回転」について
→ http://888earth.net/news/
* 「祝(ほうり)の島」という映画!東京の東中野で9月10日(金)まで上映中だからお時間ある人はこちらもぜひ!!!
→ http://www.hourinoshima.com/
***
(S.I.)
2泊3日という短い期間ではあっても、存分に祝島の魅力を感じてきました。
以下は、その旅を通して感じたこと、想ったことを文章にしたものです。
みなさんも、まだ暑いうちに、祝島のきれいな海で泳ぎに行ってはいかがですか?(^^)
★★★★
祝島(2泊3日)をふくむ、8日間の電車旅に行って来た。
祝島、という、山口県の瀬戸内海の小さな島のことを、初めて聞いた人も多いと思う。
最初に祝島に行こうと思ったのは、そこが原子力発電所の建設予定地だから。
原発の議論はすごい色んな問題と絡んでて結構むずかしくて、私は原発には反対派だけどその論拠とか、じゃぁ今後どうすんの?みたいな話については、「ごめんなさいもう少し勉強する時間をください」って感じなんだよね。
だからその議論はちょっとお休みにして・・・
28年間も反対運動をして、島の人々が守ろうとしているモノは、一体なんなんだろう?
という疑問をもった。
原発が出来れば、お金ももらえるし、雇用もできるし、高齢化した島に若い人も戻ってくるかもしれない。島にとって、メリットだってあるハズだと思う。だけど、依然、島民の9割は反対している。
島に入ったら、すごくのんびりしていて、原発が建つことを感じることもほとんどなく、文字通り、「昔の日本の田舎」というイメージにぴったりなところだった。私たちは民宿に泊まっていたのだけど、気づけば民宿のおっちゃん、漁師のおっちゃん、そしてかわいい3姉妹(小5、4才、1才)が適当に入り浸っていたり、
「下町」みたいに密集している家の間の小道で、隣近所で座って話をしているし・・・ごはんのおかずが余ったらお隣の家に持っていくし・・・
都会育ちの私としては、なんだか時代をまちがえたんじゃないか、みたいな気分になってくる。
だけどそれはいい意味で。
家族のつながりも地域のつながりもうすくなっている(と言われている)今の日本を悲しんでいた私にとっては、希望を感じさせた。
「人と人とのつながり」のほかに、もう一つ気づいたことがあって、それが、「過去と未来とのつながり」。
たとえばさ、
1000年前から続いている、4年に1度の大きな祭がある。きっとこれからも続いていく。
おじいさんが切り開いてくれた棚田で、自分は孫に食べさせる米をつくる。
農業と漁業にほとんどの人が関わっている中で、「先祖代々守ってくれたきれいな海と大地を、自分たちもきれいなまま次の世代に渡す」という意識をもっていると思う。
そしてもちろん、豊かな食べ物の多くをとっている方が多い中で、「自然とのつながり」も言うまでも無く感じているはず。
たった2泊しかしなかったけど、祝島のことがすごく好きになった。
海も本当にきれいで、生物多様性のホットスポットと言われている地域。
海で泳いでいるだけで、すぐそばを魚が泳いでいった。
海の生き物にはめっぽう詳しくない私でも、あの海は汚したくないと思う。
「島の人々が守ろうとしているモノ」は一体なんなのか。
私は、ただその「くらし」ということだと思う。
数千年つづく暮らしを、そのまま子孫に引き継ぐこと。
先祖と大自然の偉大さみたいなものを、肌で感じれるからこそ、
自分の子や孫だけじゃなくて、そのずっとずっと先の子孫のことが、もう目に浮かぶんじゃないかなって思う。
うまく言えないけど、そのことを私はすごくうらやましく思うんだ。
説明できないけど、私は祝島に「未来」を感じたんだ。
原発が建設されたら、「なにか」が変わるのはたしか。
「なにか」が壊れるのはたしか。
海水より7度も高い温排水で自然は影響を受けるだろうし、
とれた魚が風評被害で売れなくなるかもしれない。
「おかげさま」の精神で助け合っている島の中で、「お金」の価値観が強くなることも心配。
今までは、ここに建つ原発の問題を、どこか他人事の中で、キレイごとの中で考えていたけど、実際に訪れたことで自分ごとに変わってしまった。
自分に何ができるのか、何をすべきかはまだ分からないけど、とりあえず、10/24(日)に筑波山のふもとの「田井ミュージアム」というところで行う、祝島を舞台とした映画「ミツバチの羽音と地球の回転」の上映会の企画と準備に、精一杯力を入れようと思う。
***
* 10/24(日)「ミツバチの羽音と地球の回転」上映会について
→ http://tkl.tsukuba.ch/e91048.html
* 映画「ミツバチの羽音と地球の回転」について
→ http://888earth.net/news/
* 「祝(ほうり)の島」という映画!東京の東中野で9月10日(金)まで上映中だからお時間ある人はこちらもぜひ!!!
→ http://www.hourinoshima.com/
***
(S.I.)